市立船橋 vs 拓大紅陵(写真=小室功)
先制ヘッドを決めた宮川は、こういって会心の笑顔を見せた。
虚をつかれた格好の拓大紅陵に対し、攻撃の手を緩めない市船が畳みかけていく。24分、後方からのフィードにFW15久保原心優(2年)やFW10郡司璃来(3年)、そして相手DFが入り乱れるなか、刹那に生まれたチャンスをエースの郡司が逃すはずもなかった。飛び出していたGKの位置を完全に把握し、憎らしいまでの冷静さでループシュートを決めてみせた。
2-0と、市船のリードで迎えた後半。試合の焦点は「市船がダメ押しゴールを奪うか、それとも拓大紅陵が1点差に迫るか」に移ったが、43分、直接FKを太田が鮮やかに叩き込み、市船が決勝への歩みを確かなものにした。
今年の選手権予選を沸かせた拓大紅陵サイドに立てば、何とか先手を取り、優勝候補の一角である市船を慌てさせたかっただろう。だが、そうは問屋が卸さなかった。試合後、拓大紅陵の嘉藤大樹監督は開口一番、「さすがでした」と舌を巻きつつ、次のように続けた。
▽第102回全国高校サッカー選手権千葉予選
第102回全国高校サッカー選手権千葉予選