FC多摩ジュニアユースイレブン(写真=松尾祐希)

 ボール支配率で圧倒していたのはFC多摩だったが、僅かな綻びから追いかける展開に。以降も高橋悠(3年)や吉田楽音(3年)を軸にボールを動かしながら、何度も相手ゴール前に迫る。だが、決定力不足に泣き、前半は0-1で折り返した。

 後半に入ってもFC多摩は流れを離さず、厚みのある攻撃で相手を自陣に押し込む。58分には左SB有山弾(2年)の折り返しに吉田湊が合わせる。惜しくもポストを叩き、こぼれ球からのシュートも相手DFのブロックに阻まれた。

 飲水タイム後の60分過ぎたあたりからは、CBも高い位置を取って攻撃に参加。ボランチの選手も一列前でプレーする時間を増やし、分厚い攻撃でゴールをこじ開けにかかる。刻々と時間が過ぎていくなか、FC多摩は最後の攻勢をかけるべく、77分に加藤歩真(3年)と伊達煌将(3年)を投入。すると、この策が見事にハマる。

 77分に加藤の右クロスをファーサイドで受けた有山が相手DFをうまく外して右足でネットを揺らす。これで勢いに乗ったFC多摩はさらに猛攻を仕掛けると、試合終了間際の80+5分に右SB土岐桂音(3年)の右クロスにニアサイドで伊達が合わせる。思い切り首を振ってヘディングで狙った一撃は見事に逆サイドネットに突き刺さり、土壇場で試合をひっくり返すことに成功。最後までリードを守り切ったFC多摩が悲願の初優勝を飾った。

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▽第38回日本クラブユースサッカー(U-15)選手権大会
第38回日本クラブユースサッカー(U-15)選手権大会