決勝ゴールを挙げたFC多摩MF伊達煌将(写真=松尾祐希)
近年、多くの選手をJリーグの育成組織に送り込んでいるFC多摩。流経大柏出身のCB関川郁万(鹿島)、川崎U-18からトップに今季昇格したMF大関友翔、名古屋U-18に所属しながら高3となった今季はトップで経験を積んでいるFW貴田遼河など、才気溢れるタレントたちが続々と上のステージで活躍している。その一方でチームレベルでは安定して結果を残せず、2019年にクラブユース選手権でベスト8、20年度のU-15高円宮杯では3位に入った一方で、全国大会出場を逃す年度もあった。そうした状況下からなし得た初の日本一。チームを率いる平林清志監督は感慨深そうに言葉を紡いだ。
「貴田たちの代は彼に対するマークがすごかった。でも、今年のチームは湊海に対するマークが厳しいけど、松本、坂、高橋がある程度できるので、そこから運べると、湊海がよりフリーになってプレーできる。そこが今年の売り。得点を取れるパターンがいくつもあって、自分たちで作り出せるので成功したと思う」
打ち合いになる試合も珍しくなかったが、引かずに自分たちの良さを出し切って頂点に立った。今大会は8試合で27点。Jクラブや街クラブを飲み込んだ攻撃力なくして、夏の日本一は成し得なかったはずだ。
(文・写真=松尾祐希)
▽第38回日本クラブユースサッカー(U-15)選手権大会
第38回日本クラブユースサッカー(U-15)選手権大会