済美のキャプテンDF10山口絞生(3年)

 後半も開始からトップ下に入り、裏抜け・ポストプレーともに一日の長を見せるMF19谷野陽香(3年)を効果的に使いながら追加点への攻勢を強める済美。しかし、ここで立ちはだかったのはGK大森、DF大下を中心とした守備陣であった。72分には大森が連続セーブで防ぐと、78分には全員が身体を張ってゴールを阻止。彼らは後半だけで実に12本のシュートを防ぎ続けた。

 だが実力に勝る済美は「しっかり集中してくれた」(渡邊一仁監督)守備で大洲のカウンターをことごとく摘むと、返す刀で再びゴール前へ。最後はアディショナルタイムに途中出場のMF14兵頭陸(2年)が川本の浮き球パスに合わせて2点目を奪い、2-0で大洲を下し4-2で松山学院に逆転勝ちした松山北が待つ準決勝へと駒を進めた。

 それでも「とりあえず勝てたのはよかったが、入りの甘さやミスからカウンターを食らう部分など満足はしていない」とキャプテンの山口も振り返ったように、内容にはまだ課題を残している済美。約2週間与えられた時間で彼らはさらなるクオリティー向上を志し、インターハイ予選では最後の1つで逃した全国大会への扉を開きにいく。

(取材=編集部)

▽第102回全国高校サッカー選手権愛媛予選
第102回全国高校サッカー選手権愛媛予選