長崎総科大附イレブン(写真=藤原裕久)

 試合開始から終了まで終始、長崎総科大附ペースの試合となった。長いボールをベースに迷いなく勝利に徹する姿勢は、国見にボールを保持させず、焦らせ続けた。戦う原点を追求したスタイルはまさに長崎総科大附のスタイルと言っていいだろう。

 実力的には長崎総科大附以上との声もあった国見だが、「これしかない」スタイルを徹底してきた長崎総科大附の前に絶対的な武器を見せられなかった。ボールをつなぐスタイルをベースに「何でもできる」国見が、この試合に限っては「何をやるべきか統一できない」まま戦ってしまった。実に悔しい一戦となったことだろう。

 だが、その悔しさを今年の長崎総科大附は何度も味わってきた。

今シーズンは県新人戦・高総体県予選でタイトルを逃し、プリンスリーグ九州でも勝てない日が続いた。力のある選手こそ多かったが、あと一歩の必死さや懸命さを足りないと感じるときもあった。その中で原点を見つめ直し取り組み続けた結果が、夏からのプリンスリーグ九州での快進撃(5勝2分け1敗)を呼び、県リーグでプレーするBチームでプレーすることもあった福島、尾島らの成長につながった。

 「成長しましたよ、うん」

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▽第102回全国高校サッカー選手権長崎予選
第102回全国高校サッカー選手権長崎予選