山形明正イレブン(写真=佐藤円)

 その直後には羽黒が右FKから主将・小西謙吾が右足でシュート。しかし、山形明正の169cmのGK酒井淳平がファインセーブ。その5分後には山形明正のチャンス。ロングボールを抜群のトラップで収めた仲村渠が相手を引きつけたあと、ラストパスを受けた丸山がフリーでシュートを放ったが、今度は羽黒のGK石野翼が好セーブを見せた。

 前からの積極的な守備の山形明正に対し、羽黒もワイドを起点にしながら押し込む場面を数多く作るが、山形明正はディフェンシブサードでの守備でもアグレッシブで粘り強かった。

 「羽黒はビルドアップがうまいチーム。サイドバックに入ったらふつうは中切りなんですけど、羽黒には外切りをしました。それがうまくハマりました」(仲村渠)

 27分には右SB高尾波流の山なりのクロスを1トップ・三國谷斗羽が頭で合わせたが、GK酒井が飛び出して無人となったゴールのわずかに左を抜けていった。

 山形明正が1点リードのまま迎えたハーフタイムに雨足が強まったが、前半同様、山形明正の自陣での守備は堅く、羽黒はサイドまでは運べるが、その後は攻めあぐねるシーンが続いた。逆に山形明正はそこからのセカンド争いでも優位に立って攻め込んだ。59分には岡野來英を追い越してペナルティーエリアに入った佐々木貴彬がシュート。GK石野が弾いたボールを拾ったあと、岡野もシュートを狙ったが、ここは石野がキャッチした。

【次のページ】 決勝 羽黒 vs 山形明正(3)

▽第102回全国高校サッカー選手権山形予選
第102回全国高校サッカー選手権山形予選