同点ゴールに喜ぶ静岡学園イレブン(写真=矢島公彦)

 そんな試合のスコアを先に動かしたのは「辛抱強く守って1本を取る」(谷﨑元樹監督)コンセプトを堅持し、耐えながら「乾坤一擲」を狙っていた広島国際学院である。

 49分、クリアボールを右サイドに流れたFW10野見が拾うと15m程度ドリブルで仕掛けた後にややマイナス方向へグラウンダーのクロス。これを受けた後半開始からトップ下に入った10石川撞真(3年)は、相手DFとの1対1に背中を一度向け引き球気味にキープしてから一気に前を向いてスピードアップし右足シュート。「あまり覚えていない」と本人は振り返るも、ナンバー10らしいテクニカルな業が決まって先制点は広島国際学院に入った。

 しかし、プレミアWESTで3位と難しい試合を普段から経験済の静岡学園は、これに慌てることはなかった。迎えた54分には自陣から左足で浮き球スルーパスを出したMF14森﨑のボールに反応し抜け出したMF7庄が飛び出し、相手GKとの1対1にループシュートを選択し同点に。その後も分厚い攻撃で逆転ゴールを狙い続ける。

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▽第102回全国高校サッカー選手権
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