水たまりができてボールが止まるピッチコンディション(写真=竹内松裕)

 4分、ペナルティエリアの右手前でFW10臼田成那がゴールキックのこぼれ球を拾って左足を振り抜くと、相手DFに当たったボールがゴール前へと転がる。それに反応したのがMF4廣森輝星だった。対処しようと前に出た秋田商のGK1木谷智仁と1対1になり、木谷がキャッチするかと思われたところで不意にボールが止まる。そこで「信じて前に走ったら自分の前にボールがこぼれてきた。ああいう光景が想像できていた」という廣森がすかさず足先で触って奪い取り、そのまま無人のゴールに流し込んだ。

 立ち上がりで幸先よく先手を打った明桜は手を緩めることなく、前線にボールを送り込み、臼田を筆頭にプレッシャーを掛けていく。臼田は走力を生かしてこぼれ球に食らいつくだけだけでなく、マイボールにすると積極的に足を振るなど強いシュート意識を見せていた。

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▽第102回全国高校サッカー選手権秋田予選
第102回全国高校サッカー選手権秋田予選