佐賀東イレブン(写真=森田将義)

 以降も佐賀東は攻撃では4バック、守備では3バックの可変システムで上手くボールを動かしながら、主将のMF9宮川昇太(3年)と右近のサイドアタックを効果的に引き出し、佐賀商を押し込み続ける。

 効果的だったのは「どんどん成長している」と蒲原監督が評するDF6田中佑磨(2年)の働きだ。「プレーの幅を広げるため右だけでなく、内でもプレーできるよう意識していた」。言葉通り、右サイドを駆け上がるだけでなく、ポゼッション時には中央に入ってMF10江口恭平(3年)とのダブルボランチを形成。田中の動きによって、大島が高い位置を取れ、攻撃に厚みが加わる。また、中央に人数をかけるのはカウンターのリスク管理の意味でも大きく、前半を無失点で折り返す一つの要因になったのは間違いない。

 後半も佐賀東は攻撃の手を緩めない。後半5分には左サイドを仕掛けた右近がゴール前にパス。相手DFに当たったこぼれ球を江口が豪快に叩き込んでリードを3点差に広げる。18分にも連携が右サイドを抜け出した宮川のパスから江口がシュート。この一撃は右ポストに阻まれたが、素早くFW11最所大星(3年)が押し込み、試合の大勢を決めた。

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▽第102回全国高校サッカー選手権佐賀予選
第102回全国高校サッカー選手権佐賀予選