U-17日本代表vs関東大学選抜

 そうした頑張りが報われる。代表関係者も9月中旬の時点では「間に合わないだろう」という見立てを立てていたが、10月初旬には「可能性が出てきた」と話すほど、驚異的なスピードで回復。10月下旬にクラブで実践復帰し、この日も2本目と3本目を合わせて60分間プレーできるまでになった。

 「2年間、このW杯を目指して活動してきた。できることをやろうと思って取り組んできた。この大会に間に合って良かった」

 対人プレーに強く、空中戦の強さも折り紙付き。リーダーシップにも長けており、チームにとって永野の復帰は大きい。

 「チームの中心として戦って、個人としても決勝まで行って勝ちたい。そうすれば、いろんな国の選手たちと対戦できる。できるだけ多くのことをライバルたちから学んで、その後の自分のサッカー人生に生かしていきたい」

 一度は絶望視された憧れの舞台に間に合った。失うものは何もない。自分の未来を切り開くべく、未知なる戦いに足を踏み入れる。

(文・写真=松尾祐希)