優勝した尚志イレブン

 後半は帝京安積も反撃に転じ、37分相手のDFラインのミスを逃さずボールを奪ったMF滝沢涼介(2年)がゴールを決めてまず1点返した。さらに43分、MF阿久津雄大(1年)からのクロスにFW白坂晴人(2年)が右足で合わせてゴール。2点差に詰め寄った。勢いに乗ってさらに詰め寄りたい帝京安積だったが、56分GK村上斗粋(2年)がペナルティエリア外に飛び出しての得点機会阻止で一発退場となり、FWを1人減らさざるを得なくなってしまい、その後は決定機をなかなかつくり出せなかった。このまま4-2で勝利した尚志が2年ぶり4回目の優勝を決めた。

 ターンオーバーで完勝した尚志の仲村浩二監督は「帝京さんはプリンスリーグで(セカンドチームが)戦うので、こっちのメンバー(控え組主体のメンバー)でいこうと思いました。こちらに来てB戦をやってきましたが、調子が良かったので底上げができると思いました」と大胆な選手入れ替えの意図を語った。

激闘を制しての勝利を喜び合う尚志の選手たち

 「プレミアでは誰かが抜けても勝てないといけないと昨年1年で分かりました」と、長丁場のプレミアリーグを戦う上でも、多くの選手に公式戦の舞台を用意する必要があった。「今年もプレミア残留を目標にしながら上に行ければ。でも怖くて仕方ないですね。県内の大会は全部優勝して全国を取りたいです。昨年の選手権で初戦でやられましたので、一戦一戦やることが大事で、山田戦のようにい試合後ぶっ倒れるくらいやれれば」と仲村監督はプレミアリーグ、そして選手権を見据えて毎試合全力で戦い抜くチームへと成長させようとしていた。

 一方の帝京安積も決勝は敗れたものの、初の準優勝という結果を残した。「余裕で勝ち上がったわけではないですし、接戦をものにして勝ち上がりました。子どもたちが頑張ってくれて、自信にもなります」と小田晃監督はここまで勝ち上がってくれた選手たちを讃えた。

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▽第23回東北高等学校新人サッカー選手権大会
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