強さは身体を張った守備の強さ、焦れない我慢強さ、当たり負けしないフィジカルの強さ、2分で2得点挙げた勝負強さ。この強さはどのように植え付けているのか。そのヒントを指揮官は「教えすぎないこと」と語った。

 「いまの選手たちは教わりすぎているので、教えないようにしています。チームにはある程度、規律はあります。そのなか、サッカーは単純ですが、勝つために何をしたらいいのか、自分たちで考える。勝つためにどうすればいいのか、選手たちはほとんど判断してやっています。東京Vの強さは読みづらさ。たとえ相手に研究されても、読まれづらいところにあります(藪田監督)」

 全容はつかみきれないが選手が自主的に考えていること。その考えがイレブンで共有されていることは読み取れる。ただ、ここで満足していない。藪田監督は読売Jrユース、読売日本SCユース、ヴェルディ川崎と生粋のヴェルディ育ち。在籍時は優勝して当たり前の時代にプレーしてきた選手。だからこそ今度は監督として、選手たちにタイトルを取ることの意味、そのメンタリティーを植え付ける真っ最中だ。

 16年ぶりにJ1復帰のトップチームは現在、リーグで勝点「48」で暫定6位と下馬評を覆しての躍進。そして東京Vユースは2014年以来のプレミアリーグ参入に向け、その歩みをさらに進める。

(文・写真=佐藤亮太)

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