後半アディショナルタイム4分の表示。引き分ければ、浦和ユースのPO出場権決定となる。喜びの瞬間を撮るべく、ベンチ近くに移動。逆光、厳しいなか、シャッターチャンスを狙った。終了のホイッスル。「さぁ、いよいよ」とカメラを構えたがイレブンに喜びの表情はなかった。たしかに達成感なるものはうかがえた。だが笑顔は微塵もなかった。その真意とは。

「きょうの試合は勝つことを目指していましたが結果は引き分けでした」(GK25小森春輝・3年)

「今季、目標にしてきたので、ホッとした気持ちでした。内容を振り返れば、後半ハーフコートゲームのような試合でしたが1点も取れずに終わってしまいました。そこが課題ですし、どちらかと言えば、内容は良くなかったです。昨年の悔しさを知っている3年生としては『このままじゃいけないな』と気持ちを引き締めていたと思います」(DF28阿部慎太朗・3年)

「(会場の)広島に行くことが決まっただけで本当の勝負はこれから。目標はプレミアリーグ昇格であることをみんな共通認識として持っています」(9照内)

 たしかにそうかもしれない。攻め続けて横浜FMユースの倍以上の14本のシュートを放ちながら、1点止まり。失点は相手の個人技はあるものの、防げたはずの失点。手ごたえはある。しかし、これでは去年の二の舞になりかねない。そんな危機感がそうさせたと言える。

「もし笑顔だったら、ガツンと言わなければならないなと思っていました。少し前の彼らなら、よっしゃー!と喜んだかもしれませんね」と平川監督。

 ここで浮かれなかったこと。そこがチームの成長。

【次のページ】 第18節 横浜F・マリノスユース vs 浦和レッドダイヤモンズユース(5)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2024 関東1部
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2024 関東1部