苦しみながらも初戦を突破した聖望学園の山本昌輝監督は、「1回戦で浦和の試合を見てとても粘り強いチームだと思い、延長、PK戦まで準備していました。トーナメントの初戦というのは難しいので、内容はともかく苦労して勝てたのは良かった」とひと息ついた。

 現在、県最上位のS1リーグで暫定首位と好調だ。中断前ラスト2試合では関東高校大会予選を制した正智深谷に3-0で快勝し、昌平セカンドにも5-1と大勝して今大会を迎えた。

 好人材が多い中、この1カ月余りで最も成長したのが太仲だという。この日はコンディションの関係でベンチスタートとなったが、山本監督は「リーグ戦の正智深谷戦でも昌平戦でも得点してくれた。今日のピッチ状態では持ち味を発揮できませんでしたが、守備の背後にスペースがあると特長を発揮できる。今は十分に1トップを任せられる存在ですよ」と頼もしそうに見つめた。

 けががちのエースFWファサン ダニエル(3年)に無理をさせられない状況。そんな中、太仲の台頭は初優勝と7大会ぶり2度目のインターハイ出場に願ってもない朗報だ。           

       

(文・写真=河野正)

▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選