習志野 vs 東京学館

 習志野を率いる櫻田常聖監督が「相手のサッカーに合わせてしまった」と試合後に語った通り、序盤から自分たちのスタイルを実践していたのは、どちらかと言えば敗れた東京学館の方がだった。

 手数を掛けないシンプルな攻撃や、ロングスローなども使い、東京学館は試合開始から闘志を前面に押し出し、局面を狭く保ち肉弾戦に持ち込んだ。さらに気合の入った泥臭いプレースタイルが応援団の熱気を上げ、会場の雰囲気も飲み込んでいった。

 相手のストロングを消すことに成功した東京学館は、互角以上の展開で前半を終えると、後半には74分にMF9宮田都碧(3年)がドリブル突破からPKを取ってもらえてもおかしくないシーンも作り、後半終了間際には、宮田のクロスからMF10黒澤颯斗(3年)が惜しいヘディングシュートを放つなど、スコアレスながらも充実した戦いぶりをみせた。

 しかし、延長前半開始とともに最初の交代カードを切った東京学館とは対照的に、習志野は後半に4枚の交代カードを使い、MF15奥村夏(3年)が正確なキックと戦術眼で局面を打開するなど、我慢強く自分たちにペースを手繰り寄せていた。

 その甲斐あって、交代出場直後は上手く試合に馴染めていなかった勝野も、後半が終わるころには自信を持ってプレーできるまでに。

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