こうなると東海大相模としてはボールを持っているはずなのに、持たされている感覚、錯覚に陥りやすいものだが、イレブンはそんなやわではなかった。DF5佐藤碧(3年)は「自分たちでボールを回していた感触しかなかった」と話せば、PKを決めたMF10 沖本は「持たされているというか、こちらのテンポが遅くて、特に前半、攻撃のリズムが作れなかった」と反省を口にするなど、相模原弥栄同様、迷いなくプレーし続けたことがわかる。

 そこには背後を突くロングボールは避け、ボールを最後まで回し続け、相手を崩していく有馬監督の初志貫徹があった。これを支えたのがここ半年間のチームの取り組みにあった。

 「うまいだけでは絶対に勝てない。うまい選手が走れて、タフになる。これがことしのチームの目標」と有馬監督はこれまであまり取り組まなかった走りこみやウェイトトレーニングを徹底的に行い、さらに食事面にも気を配り、身体作りの強化を実施した。

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▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選