「狙いすましたというより、“枠に入ればいいかな”くらいの感覚で打ちました。それがかえってよかったのかもしれません。リラックスして打てましたから。相手のテクニックやパスワークに苦しみましたけど、最後まであきらめず、粘り強く戦ったことが結果につながりました」

 勢いづく市船は、なおも攻撃の手を緩めず、同点ゴールから6分後の80+3分、ついに試合をひっくり返す。左サイドから切れ込んだ交代出場のFW23勝又悠月(1年)が、相手GKの出鼻をかすめるように起死回生の逆転弾。試合を見守っていたチームメイトたちもコーナー付近に押し寄せ、瞬く間に歓喜の輪が広がった。

 「先制されましたが、自分たちのストロングポイントである競り合いの強さや背後へのボールを、もう一度、徹底しようと伝えました。この試合にかける選手たちの思いであったり、勝負どころでの集中力であったり、いろいろな感情が逆転の原動力になったのではないかと感じます」(市船・波多秀吾監督)

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▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選