2点目を決めた松本国際FW9吉村大樹

 そんな嫌な流れの松本国際を救ったのはCK。相手ゴール前に固まるパターンや、PAライン付近で固まってキック直前にそれぞれが流れ込むパターンと、バリエーションを用意。30分には右CKを得ると、流れ込むパターンからDF3渡邊智紀が頭で決め切り、先制ゴールを奪った。

 その直後の31分には、FW9吉村大樹が裏に抜け出すと右足でゴール左に流し込み追加点。

 「1点目が入ってから2点目もすぐ取れたので、あれでチームが完全に落ち着いた」(勝沢監督)この連続ゴールで硬さが取れた松本国際。ここからはFW11関泰洋を中心に左サイドを攻略し、ゲームを支配。39分には再びCKから渡邊がドンピシャヘッドでネットを揺らし3点目。

 序盤はトーナメント特有の重圧に苦しんだが、セットプレーからの得点をキッカケに持ち直し、前半の終盤に3得点を奪いゲームを決めた松本国際。後半は45分に途中出場のMF渕脇向陽が4点目を挙げると、58分には下野の突破から、こちらも途中出場のDF17中村星斗が頭で決めて5-0。危なげなくリードを広げ勝利を収めた。

 この試合、松本国際は関とDF4宇留賀大希を中心とした左サイドの良さが目立った。「ケガの影響でお互い県大会は今日が初出場だったんですが、問題なく出来ました」とはキャプテンマークを巻いた関。「宇留賀君とはずっとサイドでコンビを組んでいるので、内に入ったり外に入ったり、流動的に動いてアイコンタクトでも意思疎通が出来ている」と息の合ったポジション取りと、追い越しの動きで何度もクロスやフィニッシュに結び付けた。

 さらに下野もその左サイドに良いタイミングと距離感で絡んだ。「松本国際でフィジカルも足元の技術も重点的に伸ばしてきました」という下野は中体連出身(上松中)。サイドにも顔を出しながらコンビを組んだ吉村と共に切れ味鋭い動きで攻撃を活性化させた。

松本国際vs長野吉田

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▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)長野予選
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