だが、大津にとっては「クリアボールが相手に渡ったり、リスキーなバックパスがあったり、失点の卵が何度かあった」(山城朋大監督)ことが遠因となり、アディショナルタイムにゲームが動く。70+4分、熊本国府は左の古川からのクロスをうまく相手の背後に入った岩﨑が頭で合わせて土壇場で追いつき、ゲームを振り出しに戻した。

 延長前半は、追いついた勢いの熊本国府が出足の良さを生かすが決定的な場面は作れず、一方の大津も細かく動かしながら突破を図るものの途中で引っ掛け、前線へ好パスが出た80分の場面も合わないなど、得点は生まれず。

 だが延長後半、大津は交代出場していた曽山瑚白や溝口晃史、南平晴翔らが積極的に仕掛けて局面打開を図ることで再び流れを引き寄せると、86分、溝口からボールを受けた嶋本がつなぎ、ゴール前でボールを受けた山下が落ち着いて相手をかわし、右足で右隅に決めて勝ち越し。さらに87分には、岩中翔大から山下を経て嶋本が流し込み追加点。熊本国府の厳しい対応を受けて本来の力を発揮できる場面の少なかった中心選手2人が最後の最後に試合を決める仕事をして、粘る熊本国府を退けた。

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▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)熊本予選
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)熊本予選