「2点取ったことより、チームとして勝てたことが嬉しい」と上地。23年の新人戦優勝のあと、那覇西は総体と選手権、そして今年の新人戦も合わせて約1年間王座に君臨できなかったが、昨年から指揮する運天直樹監督は「2点リードされたあとも焦らず、積み上げてきたサッカーを貫こうとする選手たちが勇気を持ってプレーしてくれた。去年の悔しさを知る子たちのたくましさが引き寄せてくれた」と、最後まで攻守でコンパクトな距離感を保ち躍動した選手たちを称えた。2年からレギュラーのビクターも「勝てない時期も、必死に練習から信じてやり続けた成果が出て正直ホッとしています。でもここからが大事。これで満足せず切り替えてがんばります」と鉢巻を締め直し、ついに得た成功体験を大事に全国へ弾みをつける。
一方、あと一歩のところで快挙を成し得なかった興南も近年沖縄県サッカー界で旋風を巻き起こしているチーム。サッカー誌の記者を経て指導者となった奥間翔監督が2014年当時、部員16名のチームを再編し地道に力を蓄えてきた。「心技体のみならず、知能を上げることで質を高める」(奥間監督)と、映像分析を積極的に活用し理解力とプレーイメージを高めた。そして選手との対話を重ねながら不安と不満を取り除き、向上心を維持させて目指す方向を一致させている。さらに今年初めて沖縄県リーグ(波布リーグ)1部に昇格し、強豪との連戦を積み重ね、一層のチーム力アップが期待される。
▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)沖縄予選
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)沖縄予選