阪南大高MF14伊藤成康が同点ゴール

 後半も同じ展開が続いたが、それでも大津が均衡を破る。53分、左CKをMF20溝口晃史が直接狙うと、クリアされる前にボールがゴールラインを割り、大津に待望の先制点がもたらされた。

 しかし、ここから阪南大高が反撃を開始。クーリングブレイクを挟み、CBを一枚減らしMF16瀬尾優斗をトップ下に投入。システムを4-2-3-1に変更し攻撃態勢に入る。すると61分、右サイドをMF13柏大輝がワンツーで突破しチャンスを作ると、こぼれを拾って左から攻め直し、最後は「隙があったら打つ」と虎視眈々とシュートチャンスを狙っていたMF14伊藤成康の強烈なシュートが相手DFに当たりわずかに進路を変えたボールがネットに突き刺さった。

 ほとんどの時間帯で守備に走り回っていた阪南大高。「興奮しました!めっちゃ嬉しかったです。両親も泣いてたみたいです(笑)」というこの伊藤の同点弾がイレブンに勇気を与えた。さらに勢いを増した阪南大高、遂には逆転ゴールまで生み出す。

 アディショナルタイム突入直前の70分、中盤でボールを受け前を向いたMF6福本一太が「足もしんどかったですが、相手もしんどいと思って前に運んで思い切り振った」と渾身のドリブルから右足を一閃。GKがこのシュートを弾くと、このこぼれを狙って走り込んでいた瀬尾がDFと競り合いながらもゴールにプッシュ。阪南大高が土壇場で試合をひっくり返した。

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