試合序盤は慣れないシステムに戸惑う表情も見られた選手たちだったが、試合が進むにつれ、相手の攻撃を跳ね返す度に"これでいいんだ"と表情から迷いが消えていき、笑顔も見えるようになっていった。そして相手の強力な攻撃陣を53分まで無失点に封じた事実が自信となってその後の反撃の原動力となった。

 試合後、「(この戦い方で)何か得るものがあるんかな?」と指揮官は自身の決断に半信半疑な部分もあったと明かした。それでも兄貴分でもある阪南大のトップチームが2回も練習試合の相手を買って出てくれたことで、格上相手に5バックを試す機会に恵まれ、その甲斐もあってこの試合では相手に決定機を作らせないまでに機能した。

 「(ゴールが)1回でPKでも十分だったので、2回もあって。興奮しすぎました」と予想を上回る選手たちの健闘に笑顔を見せた濱田監督は「折角大津を抜けれたので、しっかり大事にやっていきたい」と次戦に向けて意気込みを語った。

 主将の福本は「大津に普通にやっても勝てないので、大声で圧倒しようと思っていました。CBの3枚がしっかり前に潰してくれたので、ボランチも前に出やすかった。5バックはハマっていたと思います」と、狙い通りだったと胸を張った。それでも「やっぱり相手はごつくてデカくて速い。フィジカル的なところは負けていた。競り合いのところもほとんど相手が勝っていたので、そこは自分たちももっとやっていかないといけない」と課題にも目を向けた。

 そして「今日はしっかり疲労を取って、明日も勝ちたい」と次戦を見据えた。優勝候補を相手になりふり構わず勝負に徹し、勝利した阪南大高。だからこそ次戦は真価が問われる一戦となる。

(文・写真=会田健司)

▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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