対する矢板中央は前半26分に突破力のあるFW20堀内凰希(3年)を投入。後半に入ると前半同様、佐藤を中心とした3バックによる粘り強い守備を継続しながらもカウンターでの青森山田陣内まで攻め込む回数を増やしていく。後半7分にはクリアボールを堀内、MF7外山瑛人(3年)、FW18山下魁心(3年)と繋いでシュート。この流れで得た右CKのこぼれ球を粘り強くマイボールにして、ゴールネットを揺らしたが、ファール判定で得点には至らない。25分にはカウンターから堀内がシュートまで持ち込んだが、GK1松田駿(3年)の正面に終わった。

PK戦で1本セーブして勝利に貢献した青森山田GK1松田駿

 試合終盤には青森山田が猛攻を仕掛ける時間帯もあったが、結局試合は動かずPK戦となった。ここでも両者、日々練習をしてきたこともあり、4番目までのキッカー全員がきっちり決めて差は開かない。迎えた5番目に輝きを放ったのは青森山田の守護神、松田。「PKはこれまでも福島に入ってからも、毎日PKをやっていたので、チームの皆が決めてくれるというのは自分の中では絶対だった。4本決められても1本止めれば、みんなが決めてくれるのでチームは勝てると思っていた。なんとしてでも1本止めるという気持ちで挑みました」。意気込みを示すかのようなセーブでキックを止めると、後攻のMF13大沢悠真(3年)がきっちり決めて、勝利を引き寄せた。

(文・写真=森田将義)

▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)