最初に決定機が訪れたのは11分。GK1松田駿(2年)のロングキックを受けた左サイドMF13大沢悠真(3年)のパスからFW18浅野瑠唯(3年)がシュートを放つ。この一撃は帝京長岡のDFにクリアされそうになったが、左の高い位置で回収し、MF7川口遼己(3年)がクロス。GKの前でFW9石川大也(3年)が触ると最後はMF8別府育真(3年)が触って、ゴールネットを揺らした。

 パスを繋ぎたい帝京長岡にとって、思うようにボールが動かないピッチコンディションにやりにくさを感じていたのは間違いない。それでも、古沢徹監督が「下が緩かったけど、あれしかできない。蹴りこむではなく、自分たちの土俵でやろうと選手たちには話していた」と振り返ったように選手たちは地上戦での戦いを選択。DF5山本圭晋(3年)ら守備陣が空中戦を挑んできた青森山田の選手に競り勝つと、MF7香西大河(3年)を中心とした中盤の選手がバトルを厭わずセカンドボールを拾って、マイボールにしていく。

 「攻められる場面が多かったのですが、そこから立て直して自分たちの良さであるボール回しをしっかり勇気を持ってやれたら、自分たちのペースに持っていけた」。そう続けるのはMF2遠藤琉晟(3年)で主導権を握り始めてからは、ピッチ上で青森山田のダブルボランチの脇が空いていると感じ始めたという。

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▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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