同点に追い付いてからは攻撃の勢いが止まらない。「練習から鳥山、大重とはコンビネーションでの崩しが多い。この興國戦でも思い通りのプレーができました」と話すのは玉山で、中盤を構成する下級生たちが息の合った連携を披露し、中央を仕掛けていったが、1点は奪えない。38分にコンビネーションでの崩しから放った玉山のシュートもGKの正面に終わり、1-1で延長戦に入った。

 延長戦で決着がつかず、迎えたPK戦ではGK12新宮尋大(1年)が活躍する。「高校に入ってからPKは苦手」と話すが、相手の癖や特徴をうまく見抜き、4本目と5本目のシュートを見事にストップ。1-1(PK:4-3)で勝利し、決勝行きのチケットをつかんだ。

 今年はプリンスリーグで勝てない試合が続き、初戦突破すら怪しまれていたが、蓋を開ければ快進撃を続け、決勝まで進出。「今までは自分勝手にプレーする人が多くて、まとまれていなかった。でも、試合を重ねるごとにチームの一体感と勝ち切る力が付いてきて、強くなってきた。勝っているから、まとまっていった」。大重が口にする通り、大会前とは見違えるほど逞しくなっている。このまま頂点まで駆け上がれるか注目だ。

(文・写真=森田将義)

▽第103回全国高校サッカー選手権大阪予選
第103回全国高校サッカー選手権大阪予選