2年間コーチを務め、今春から指揮を執る桑田直徹監督は「ボールに勢いよく向かってきた前半の姿勢はリスペクトしたい」と、まずは淑徳の戦いぶりに敬意を表した。続けて「いろんな戦術のチームに負けてきたので、そこからの学びと経験が財産になっています」とチームの特長を説明した。

 4月のインターハイ(総体)予選は、西支部の初戦の2回戦で都立日野台に1-2で負けた。2週間前の練習試合では勝利していた相手だった。主将の林は「あの時は少しの気の緩みから負けたので、同じミスをしないようより良い準備をしてきました。今日も試合終了の笛が鳴るまで集中して戦った」と快勝に胸を張った。

 この夏休みは遠征での試合などを通じて鍛え上げたそうで、桑田監督は「攻撃の成功パターンをいくつかつかめました」と話したように、1次予選3試合で13得点と成果に表れたようだ。

 人間性と人間力が豊かな選手ばかりだと言い、「応援してくれた部員は午前中に試合があり、終わってから駆け付けてくれたんです」と目を細める。昨年は2次トーナメントBブロック3回戦まで進出したが、桑田監督は「去年の3年生が努力する文化をつくってくれたおかげです。感謝したい」としみじみ語る。

 林も「去年の成績を超えられるよう、先輩たちの分まで頑張りたい」と上位進出に思いをはせた。

(文・写真=河野正)

▽第103回全国高校サッカー選手権東京予選
第103回全国高校サッカー選手権東京予選