九州国際大付 vs 東福岡 (写真=中倉一志)
試合は静かな立ち上がり。ボールを保持するのは九国大付。東福岡陣内での展開が続く。しかし、九国大付が主導権を握っていたかと言えばそうではない。キャプテンの赤金翔(3年)を中心に最終ラインでボールを回しながら隙を窺う九国大付に対して、東福岡は堅固な守備ブロックを敷いて待ち受ける。九国大付はボールを前に入れることができずに持たされる状態が続いていた。
唯一のチャンスらしいチャンスと言えば、ロングスローのこぼれ球を平田豊喜輝(3年)がループ気味に狙ったシュートだけ。そして、そのゴールキックから東福岡が鮮やかな先制点を奪う。ゆったりとしたリズムでボールを繋いで体勢を整えると、自陣右サイドから大坪聖央(3年)が大きくサイドチェンジ。相手陣内左サイドの深い位置に構える神渡寿一(3年)へと渡る。そして中央に走りこんだ伊波樹生(3年)が神渡のクロスに合わせて先制点を奪う。追加点は24分。右からのCKに頭一つ抜け出した大坪聖央(3年)がヘディングでゴールネットを揺らした。
特記するようなスーパープレーがあるわけではない。目を引くような個人技を見せるわけでもない。けれども、当たり前のことを当たり前にこなしてチャンスを作り、それをゴールに結びつけ、そして九国大付にはチャンスを与えない。決して派手には見えないが、だからこそ東福岡の強さが強く印象に残る。
▽第103回全国高校サッカー選手権福岡予選
第103回全国高校サッカー選手権福岡予選