ただ勝因は攻撃よりむしろ守備面が大きい。新潟明訓はパスやシュートをことごとくブロック。人数をかけた、粘着性のある守備で帝京長岡の攻撃の歯車を徐々に狂わせた。

 坂本監督は「立ち上がりから、アグレッシブにボールを奪いにいく守備をしつつ、できるだけ相手のコートで奪いに行こうとしました。先に失点したら、勝てないと思っていたので無失点にこだわりました。前半、チャンスを決められませんでしたが、選手には『(ハーフタイムで)0-0でも無失点だから大丈夫だよ』と伝えました。0-0の時間が続けば続くほど、相手は焦れてくると思うのでチャンスがあるかなと見ていました」とプラン通りのゲーム運び。さらに「ことしのチームは出足の鋭さと連続、連動した守備が特長。たとえ、ひとりはがされてもまた次の選手が奪いに行く。そこはポジションに関係なく、連動性をもってできました」と攻撃的守備がうまくいった。これだけの番狂わせの好ゲームを見せながら、聞けば、いまの3年生は「最弱の世代」と言われ続けた。

 一方、帝京長岡は3年生が1年のとき、2022 MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16 ルーキーリーグで全国優勝を果たした、いわば「最強世代」。

 「(帝京長岡と試合をしても)まったく歯が立たない。まったく勝てなかった(坂本監督)」

 「自分たちはルーキーリーグ2部でも勝てないチーム。(帝京長岡との力の差は)天と地のほどでした」と主将MF10斎藤瑛太(3年)。

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▽第103回全国高校サッカー選手権新潟予選
第103回全国高校サッカー選手権新潟予選