2008年から同校のコーチとなり、20年に昇格した坂本監督にとっても決意の今シーズンだった。「今大会でもし(全国へ)行けなかったら身を引こうと思っていました。最後の試合という気持ちで毎試合やっていたので、生徒が本当に頑張ってくれて良かった。諦めないでやれば、いつかは勝てる時も来ますし、過去の失敗や悔しい経験が今日の決勝で生きたと思います。相手が退場なったり、うちがケガしたりイエローをもらったり、どんなふうになっても冷静に(対処)できたことは、自分がこの5年で成長できたところかな」。感極まりながら指揮官は振り返った。

 開志JSCは、最終盤はGKも上げた総攻撃でロングスロー、コーナーキック、フリーキックと立て続けに見せ場を作った。宮本文博監督は数的不利になっても果敢に攻めた選手たちを褒めるとともに、退場となったエースを思いやった。「決して負け惜しみではないが、彼は選手権に出て終わり、の選手ではない。この苦い経験を生かして成長してくれると思う」。

(文・写真=いのうえ・しんじゅ)

▽第103回全国高校サッカー選手権新潟予選
第103回全国高校サッカー選手権新潟予選