武蔵越生 vs 市立浦和(写真=河野正)

 武蔵越生は7月14日のS1リーグで市立浦和に5-2と大勝。そんな自信からか前半4分にいきなり先手を取った。FW髙橋悠太(3年)の強シュートをGKが弾き、FWオビエゼ泰賀チゴゼ(3年)が押し込んだ。

 その後も出足良くボールに先んじると、髙橋の力強いドリブルなどで攻め込んで主導権を握った。そんな流れだった17分、ボランチ中嶋修斗の右クロスをFW森一馬(ともに2年)がヘディングでうまく合わせ、首尾よく2点目を挙げた。

 同点にされてからは後半21分に髙橋、33分に中嶋が決定的なシュートを放ったが決められず、市立浦和も26分にMF千葉琉生(2年)のシュートのこぼれ球を大前が狙ったが逸機。延長でもともに無得点に終わり、2-2のままPK戦へもつれ込んだ。

 そろって3人目までは成功したが、先行の武蔵越生は4人目が外し、市立浦和は確実に沈める。武蔵越生の最終キッカーがポストに当ててしまい、4-3で熱戦が決着した。

 大野監督は「後半すぐに追い付けたのが大きかった。ホント勝てて良かったです」とひと息つくと、「リベンジするには最高の相手」と話し、9月7日のS1リーグで0-6と大敗した正智深谷との3回戦に闘志をたぎらせていた。

 1年生だった昨季もゴールを守ったGK堀田悠空は、前日のPK練習では9本受けて6本も止めたそうだ。「第2キーパーだった中学時代もPK戦になると出場していました。自信はあった」と胸を張る。雰囲気や貫禄からか、2人のキッカーのミスを誘ったのかもしれない。「ハイボールに特化した練習を重ね、試合でもできるようになった。次は正智深谷に絶対勝ちたい」と意気込んだ。

 S1リーグでは大勝した武蔵越生だが、井上精二監督は「今年のチームは勝負弱いですね。うちはリーグ最多失点と守備には不安がありましたが、もう少し背後の対応ができなかったか……」とリードを守れなかったことが残念そうだった。

(文・写真=河野正)

▽第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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