勝利の立役者のひとりは、「ニアで合わせるのは作戦通りで、秋澤から最高のボールがきました。自分が得点して試合を決めるつもりでしたが、5カ月ぶりのゴールでチームが勝てたのですから、めちゃくちゃうれしい」と声を弾ませた。川上耕平監督も歓喜のあまり、「3年分(の仕事を)やってくれました」と表現を変えて橋本に感謝の思いを伝えた。

 これで勢いづいた浦和学院は4分後、橋本のパスから右MF平昭一哉(2年)が決定打を放ったが、右に外れて追加点は奪えなかった。27分には左MF坂間真翔(3年)が左から運び、平昭とパス交換して抜け出したものの、GKに一歩早く捕球されて好機を逃した。

西武台 vs 浦和学院

 9得点・無失点で準決勝に勝ち上がった西武台だが、相手のコンパクトな陣形と3バックのタイトな守りに手を焼き、精度の高いパスをなかなか配給できなかった。

 それでも半ば過ぎからリズムが生まれ、前半20分に竹内奏海が緑川梗雅(ともに3年)の右クロスから強シュート。強力2トップで絶好機をつくったが、秋澤のブロックに遭って同点機を逃す。28分の右MF藤木浩人(3年)の決定打も、素早く体を預けてきたCB御武内龍吾(3年)に防御されてしまう。

 今大会、右SB鈴木煌平(2年)のロングスローは対戦相手を悩ませてきた。35分に左から遠投。秋澤のクリアを拾った左MF鈴木洸晴(3年)が近距離から狙ったが、これもわずかに左に外れ、39分の鈴木洸の決定的な一撃もまた、御武内のブロックに弾き飛ばされる。

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▽第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選