その堅陣のひとりである御武内の体は、ラグビー選手のような筋肉のかたまりで、ベンチプレスでは100キロを上げるそうだ。「対人には絶対の自信があります。自分と秋澤が相手に強く当たり、上村(龍生・3年)がカバーに回る役割で、3人で常に声を掛け合って1対1で負けない守備を続けました」と胸を張った。胸元は丸太のようだ。

 GK岡本悠汰(3年)も「あの3バックはカバーリングの意識が高く、3人の距離間が抜群なんです」と絶対の信頼を寄せているそうだ。

 37年前の決勝は後半に2失点し、大宮東に0-2で屈した。川上監督は「もうベスト8で満足していますからね。決勝といっても気楽に戦えますよ、欲を出してはいけない。選手は誰も緊張していませんから」と言う。

 この泰然自若ぶりが、力以上の力を出している源なのかもしれない。   

(写真・文=河野正)

▽第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選