川上監督は「すごくいい前半だった」と振り返った。

 後半は西武台がボールを握る時間が長く、やや優勢に進めたものの、それほど多くのビッグチャンスがあったわけではない。

 好機は途中出場のFW太田和希(2年)が、18分に藤木の右クロスを合わせたシュートとアディショナルタイムに放った2連発だ。

 4分の追加タイムが3分経過した。左SB久保涼輔(3年)の蹴った左CKからCB高倉大翔(2年)がヘディングシュート。バーに当たったこぼれ球を鈴木洸が打つと、浦和学院のクリアボールが跳ね返ってゴールを割りそうになる。最後はDF長岡璃空(2年)が大きく蹴り出して事なきを得た。

 タイムアップの瞬間、赤色のユニホームは抱き合って喜び、黄色いユニホームはピッチに倒れ込んだ。

 川上監督は満面に笑みを浮かべながら「ロングボールにしっかり競ってこぼれ球を拾えていた。特別なことはせず、いつも通りに戦ったが、3バックは大会を通じて成長してくれた」と無失点に封じた守備陣を褒めた。

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▽第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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