前半はともに決定的な場面は少なく、浦和学院のシュートはゼロ。正智深谷のリードで後半を迎えた。後半もシュート数では正智深谷が5本で上回ったが、4本の浦和学院のほうが得点の可能性がある一撃は多かった。 

 11分、後方からのロングパスを橋本がヘッドで落とすと、坂間を経由してMF平昭一哉(2年)の右クロスから佐藤が決定的なヘディングシュートを放ったが、GK森に捕球された。16分には坂間が完ぺきなスルーパスを橋本に送ったが、ややトラップが大きくなってDFに蹴り出されてしまう。24分には左CKから橋本がヘッドで捕らえたシュートも、枠へ飛ばずに好機を逃した。正智深谷は赤川が右から何度も何度も敵陣に顔を出し、鋭いクロスを配給したのだが、わずかに受け手とタイミングが合わずにシュートまで持ち込めなかった。

 追加点こそ奪えなかったが、球際の攻防で激しくファイトし、前線、中盤からのプレスを継続したことで浦和学院を無失点に封じ込んだ。後半のアディショナルタイム3分が終了し、タイムアップの笛が鳴った瞬間、正智深谷が8大会ぶりの王座に返り咲いた。

 5試合で14得点・2失点の立派な戦績だった。 

 60歳の小島時和監督は「浦和学院は守備に自信を持つチームなので、どうやったら(攻略できるのか)と考えていた。うちらしい形からチャンスをつくり、そこからのCKで点を取れたことでいい流れになった」と得意のセットプレーから奪った決勝点を喜んだ。  

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