東山 vs 龍谷大平安

 リードを奪った東山は、その後も主導権を握って攻撃を仕掛ける。4-4-2の布陣でサイドへ展開して攻撃参加したSBを絡めた仕掛けからクロスをゴール前へ供給したかと思えば、中央へクサビのパスを入れてFWがいいポジショニングから起点となって崩しを試みるなど、何度もゴールに迫る。対する龍谷大平安は自陣へ押し込まれる展開が続くが、4-1-4-1の布陣でしっかりとブロックを形成して対抗する。ゴール前へ攻め込まれる場面が多かったが、最後の局面では集中力を切らさず、身体も張る守備を見せて追加点を許さない。前半のシュート数は7対0と東山が圧倒したが、スコアは1-0で折り返した。

 後半も同様の展開で幕をあけたが、龍谷大平安は少ないチャンスを生かすことに成功する。52分、ロングボールを相手がはじけなかったところからゴール前へ持ち込み、最後はFW西川大稀(2年)がドリブルでエリア内へ持ち込んで右足を一閃。これがサイドネットへ突き刺さり、同点に追いつく。さらに57分、左サイドから攻め込んで放ったミドルシュートが相手に当たってCKを獲得すると、そのCKをファーサイドでDF大津樹生(3年)が頭で叩きつけるシュートを決めて、なんと逆転に持ち込んだ。

 5分間で試合をひっくり繰り返された東山だが、失点後には選手が集まって話し合い、反撃の姿勢を確認しあう。ベンチも選手交代でフレッシュな選手を投入してゴールを目指すが、前半から見せる相手の堅守をなかなか敗れない。64分には交代出場のMF沖村大也(3年)のロングスローからゴール前で混戦となるが、押し込めずに相手にクリアされてしまう。40分ハーフの試合の時計は進み、番狂わせが現実味を帯びてくる中、78分に東山が意地を見せた。右CKをニアサイドでそらしてゴール前へボールを送ると、最後はMF野田凰心(2年)が頭で押し込んで、終了間際にスコアを振り出しへと戻した。

 延長戦はなく、勝負の行方はPK戦へ。ここで活躍を見せたのは東山GK麻生太朗(1年生)だ。先攻の龍谷大平安に対して、2人目のキッカーはシュート方向を読んでキックと同じ方向へ飛び、シュートを枠外へ外させることに成功。3人目のキッカーが中央へ蹴ったのに対して、麻生は横へ飛んでいたが残った足でシュートを防いで見せた。一方、後攻の東山は4人全員が成功させて試合終了。龍谷大平安が昨年に続くジャイアントキリングまであと一歩に迫ったが、東山が粘り強さを発揮してPK戦の末に準々決勝進出を決めている。

【次のページ】 4回戦 東山 vs 龍谷大平安(3)

▽第103回全国高校サッカー選手権京都予選
第103回全国高校サッカー選手権京都予選

応援メッセージを投稿する