生駒 vs 奈良育英
前半だけで3点を追う形となった生駒。古田泰士監督は「ファースト(コンタクト)は勝っていたので、セカンドボールの回収をもっと徹底してやろう」と、ハーフタイム中に指示。準決勝・法隆寺国際戦でも途中交代から得点を決めているMF大下美智(2年)をピッチに送り出した。監督の指示通り中盤でボールホルダーに対する圧力を強めた生駒は、奪ってから素早く両サイドのDFの背後にボールをおくる攻撃で、奈良育英ゴールに猛攻を仕掛ける。すると後半6分、DFとの競り合いから抜け出した大下が、GKとの1対1を制し、華麗なループシュートで1点を返す。疲れの見え始めた後半20分過ぎからはよりオープンな展開に。両チームともに何度もチャンスを作り出したが、追加点を奪うことは出来ずに、そのまま試合は終了。奈良育英が王者としての貫禄を見せつけた。
「0-7」の屈辱を糧に、全国でも勝てるチーム作りを目指してきた。昨年の第102回全国高校サッカー選手権1回戦。埼玉の強豪・昌平と対戦した奈良育英は、攻守に圧倒され0-7のスコアで敗れ去った。その試合にFWで先発出場していた有友は「相手はプレミアの高校トップレベルのチームなので劣勢になるとは思っていたけど、一人一人の個々の能力、スピードやフィジカルが違った」と、レベルの差を痛感した。1年時から全国大会のピッチに立つ竹田秦&谷川琉希也(共に3年)のDFコンビをはじめ、全国経験者が多数揃う学年とあって、新チーム結成時には「奈良で勝つだけじゃいけない。昌平戦がいい経験だったと思えるように、しっかり全国で戦えるチームというのを目指してやっていこう」(有友)と話し合い、練習から高い意識でチーム力を高めてきた。
▽第103回全国高校サッカー選手権奈良予選
第103回全国高校サッカー選手権奈良予選