そんなチームも、夏の総体では生駒に敗れ、更なる挫折を味わった。「夏に負けてまだ全国で勝てるようなレベルじゃないと分かった。夏休みには全国レベルのチームと対戦して、勝ち癖もついてきたので、手ごたえはあります」と主将をつとめる竹田は語る。横浜FCユースをはじめJユースや全国の強豪との練習試合を経て、前からハイプレスをかけ、敵陣地で時間を使う攻撃を形にしてきた。竹田は「全国で勝つためにずっとやってきた。去年の自分たちが足りないことを痛感させられるような試合ではなく、しっかりと勝ち切りたい」と、自信を口にする。

 一方で、失点を含む後半の戦い方に関しては「後半は、押し込まれてだいぶ疲弊し、足が痙攣している選手も多かった。うちの戦力で、全国で戦おうと思うと、もっと全員のハードワークが必要」と、梶村監督は反省を忘れない。4年連続での奈良県代表となり、「1年生から全国の本戦を経験している選手もいるのでこれまでより経験値はあがってきている。あとは思いきって自分たちが準備してきたことをやれるか」と力強く語った指揮官。まずは奈良県王者として、第100回大会1回戦で専大北上に4-2で勝利して以来、3年ぶりの選手権での勝利を目指す。

(文・写真=梅本タツヤ)

▽第103回全国高校サッカー選手権奈良予選
第103回全国高校サッカー選手権奈良予選