インターハイは初戦の2回戦で、仙台育英(宮城)に0-1で敗れる苦い思いをした。それだけに奈良監督は「夏はひとつも勝てなかったので、また全国の舞台に立とうという思いで取り組んできました。2トップがうちの強みなので、そこにどんどんボールを入れた。1-0では終わらないので、逃げ切ろうとせず(追加点を)取りにいこうとハーフタイムに指示しました。決勝もチャレンジャーとして臨みたい」と静かに闘志をたぎらせた。

 1966年(昭和41年)の第44回全国高校選手権に初出場し、ベスト4入りした新島学園は藤口光紀、小島伸幸らの日本代表を輩出。99年から指揮を執る内藤秀和監督は、「ボールを大切にしながら(相手の)逆を突いて決定機をどれだけつくれるか、そういう展開を狙いました。勝てなかったが個性的な選手が多い中、チームとしてよく戦ってくれました」と言ってイレブンの労をねぎらった。

 櫻井を攻撃の重鎮とした好チームで、3度あった絶好の得点機をものにしていたら勝敗の行方は分からなかった。   

(文・写真=河野正)

▽第103回全国高校サッカー選手権群馬予選
第103回全国高校サッカー選手権群馬予選