迎えた延長は、お互いが点を取りに行く意識を高めたことでいっそうオープンな展開となり、劣勢の時間が長くなっていた熊本国府も個の突破からゴールに迫る。しかし延長20分を終えても双方に得点は生まれず、勝敗はPK戦で決することに。

 3人目のキックが枠を外れた後攻の熊本国府に対し、先攻の東海大熊本星翔は5本とも成功させ、7年ぶりの決勝進出を決めた。

 「能力はあるのに自信無さげにプレーしていた選手たちが、メンタルを成長させてくれた。時間はかかったが、計画的に、人もボールも動くサッカーを追求して質を高めてきたので、決勝ではその集大成を見せたい」と、J2の愛媛FCなどでプレーした経験を持つ就任4年目の西岡監督。「良くやったと言いたいが、まだまだ、とも言いたい」と、特に攻撃面のクオリティには満足していない様子で、「もっと早いテンポで、出して動く、その中で相手を外していくゲームをしたい」と話した。   

 決勝の相手、大津を率いる山城朋大監督は福岡教育大の後輩にあたるが、リスペクトの気持ちを持ちながらも自分たちのカラーを全面に出す覚悟だ。     

(文・写真=井芹貴志)

▽第103回全国高校サッカー選手権熊本予選
第103回全国高校サッカー選手権熊本予選