大津 vs 東海大熊本星翔

 対する東海大星翔は、ボールを握られる時間が多い中でも、左右も下がって構える5-4-1のブロックを形成、細かくスライドしながら縦のコースは消しつつ、ドリブルの仕掛けに対しても粘り強く体を寄せ、あるいは足を伸ばして対応。引っ掛けた後のマイボールを握って押し返す状況には持ち込めないものの、最終ラインからシンプルに長いボールをサイドや背後のスペースに供給。前線に収まる場面こそ少なかったが、判断の早さと意思共有からチャンスをうかがう。

 それでも自力に勝る大津は、右の舛井、準決勝でも存在感を見せた左の小松皐らMFとサイドバックの連携から東海大星翔ゴールに迫り、得点機を量産。11分にスルーパスから、さらに左からのマイナスの折り返しに兼松将、14分には右からのクロスに山下、直後のコーナーから五嶋、16、17分にも山下とチャンスを作る。しかし東海大星翔はGK水口然斗の思い切りの良い反応やDF陣の体を張ったブロックなどでゴールを割らせず、逆に26分にはMF吉崎逢生、33分にはMF丸野陽と、大津の背後のスペースを突く形から好機を迎える。ただいずれも枠を捉えることはできず、大津ペースで進んだ前半は0-0で折り返した。

 「負ける試合はシュートも1ケタしか打てなかったりすることが多いが、前半はシュートもコーナーキックも多く、形もできていたので、スペースにボールを置いて、山下が関わっていく攻撃を増やしていこうと話した」と山城朋大監督が明かしたように、後半に入ると大津はサイドバックがより高い位置を取ることで仕掛けに厚みを増すと、まず44分、右サイドを突破した舛井の折り返しを山下が合わせ、ようやく先制に成功。

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▽第103回全国高校サッカー選手権熊本予選
第103回全国高校サッカー選手権熊本予選