滝川二vsAIE国際(写真=森田将義)

 防戦一方になるのではなく機を見てはカウンターを繰り出し、24分には右中間でボールを奪った三宅がそのまま前進し、ゴール前にクロス。36分には速攻の中心となっていたMF7村松風亜(3年)がボール奪取からドリブル。サイドチェンジから酒井がクロスを上げたが、GK23釜田統生(3年)に阻まれた。

 39分には村松からDF6川上瑠巳(3年)に繋いで右クロスを入れると、FW24空久保善(3年)がバックヘッドで合わせたシュートがゴールネットを揺らしたが、オフサイド判定に終わる。後半も滝川第二が見せ場を作りながらも、小森康宏監督が「攻めがどうなるか不安だったのですが、ポイントで攻めてくれたので1点が欲しかった」と振り返った通り、1点が遠かった。

 試合終盤はMF13知名禅太(2年)やMF10河本大雅(3年)を入れてAIE国際が1点を奪いに出たが、集中力を絶やさない滝川第二の牙城は崩せない。0-0のまま迎えた延長後半10+2分には宮城の落としから、MF16杉浦煌仁(3年)が絶妙なループシュートを放ったが、GK1竹本航(3年)が枠外へと弾いた。

 迎えたPK戦では滝川第二の竹本がAIE国際3本目のシュートをセーブ。キッカーの5人全員が決めた結果、滝川第二が0-0(PK:5-3)で勝利した。「10人で戦えたのは気持ち。最後の1試合だったのでみんなで、全力で戦うことしか考えていなかった」と振り返るのは酒井で、不利な状況でも最後まで諦めずに戦う姿はとても10人とは思えなかった。ベンチ、スタンドと一体になって戦う姿に心を震わせた人も多かっただろう。全国でも滝川第二らしく最後まで全員で戦い、目の前の1勝を狙いに行く。

(文・写真=森田将義)

▽第103回全国高校サッカー選手権兵庫予選
第103回全国高校サッカー選手権兵庫予選