左からDF3ラビーニ未蘭、FW9宮本周征

 後半、最初のチャンスをつかんだのは京都橘。50分に9伊藤が強烈な左足シュートを放つ。ここは前半から再三好セーブを連発していた帝京GK1大橋の横っ飛びセーブに阻まれるが、その後も京都橘はやや重心が後ろになった帝京陣内でゲームを展開。その攻勢は73分、ついに実った。

 右CKを16河村とのワンツーで受けた6執行はショートコーナーキックにしたことにより生まれた帝京守備網のわずかなスキを見逃さずニアサイドへクロス、これを10桐原が頭で合わせ同点ゴール。この瞬間、1,000人近くが詰めかけた京都橘応援席からは大歓声が上がった。

 ただ、帝京は逆転勝ちした東京B決勝同様、失点をバネにする「魂」が備わっていた。直後の75分、センターサークル近くでボールを持った8砂押は左足でゴール前へ浮き球パスを供給。京都橘のクリアが小さくなったところを拾った10森田は落ち着いてペナルティーエリア左でフリーとなっていた交代出場のMF9宮本周征(2年)へボールを流し、宮本はこれも落ち着いて逆サイドネットを狙った低弾道シュート。これが決まって帝京は再び一歩前へ出る。

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▽第103回全国高校サッカー選手権大会
第103回全国高校サッカー選手権大会