試合が動いたのは53分だ。札幌大谷のDF6瀬山晴也(3年)からの左クロスをFW11真浦劉(3年)が鮮やかなヘッドでゴール右隅に叩き込んだ。攻撃の手を緩めない札幌大谷は、追加点をねらうも1-0のまま時間が経過していく。
一方、センターバックのDF9廣畑寛汰(3年)を前線に上げたり、次々に交代カードを切るなどして、寒川は“1点”を追いかける。あきらめない気持ちが形になったのは、80+1分だった。DF3稲谷優人(2年)が得意のロングスローをゴール前に送る。混戦のなかから価値ある同点弾を決めたのは、77分に交代出場していたDF20藤原康騎(2年)だ。
土壇場で追いついた寒川の応援席がヒートアップ。勝負の潮目をグイッと引き寄せたかに思われたが、PK戦の末、初陣を飾ることはできなかった。
(文・写真=小室功)
▽第103回全国高校サッカー選手権大会
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