浦和ユースの堅守を支えた阿部はこう振り返る。「相手はロングボールが多く、細かい場面が上手いと分析済みでした。苦しい時間帯も多かったのですが、最後にゴールを割らせなければ失点しない。コースを限定して小森に取らせたり、打たせても入らないシュートを打たせようと意識していました。それにチャレンジ&カバーも徹底できました」。
延長戦でも決着がつかず、PK戦でも2人目までは両者成功するなど拮抗した展開が続いたが、迎えた5人目は先攻の浦和が成功したのに対し、後攻の京都U-18がキックを失敗。この結果1-1(PK:4-3)で浦和が勝利した。
浦和ユースの平川忠亮監督にとっては就任1年目での悲願達成で、来季からJ3琉球で指揮を執る意味でも弾みがつくのは間違いない。「監督1年目で彼らの監督をやらせてもらい、こんなにハッピーエンドで終わるとは思っていなかった。立場はまた違いますが、昨年の悔しさを彼らと一緒に晴らすことができたのは、現役の時と同じスタート。最初、鹿島とのナビスコカップ決勝で負けて、次の年は同じ国立の舞台で鹿島を倒して初タイトル。そうした思い出もあったから、今回倒せたらまた指導者としても良いスタートが切れると思っていた。なかなか理想の結果にはならないのが普通なのに、選手には感謝しかないですね」。
(文・写真=森田将義)
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