延長前半と後半途中まで、両チームとも得点が生まれそうな形を構築できなかったことで、PK戦突入の可能性が出てきた6分だった。正規の後半15分に送り出されていたMF八百川尚輝(1年)から預かった優しい最終パスを塚田が豪快に蹴り込んで決勝点。追加タイムにも、塚田が八百川の左からのパスを右足で合わせ、1年生コンビで決勝点と駄目押し点をものにした。

 激戦を制した内野監督は「塚田はパワフルにゴールをこじ開けられ、八百川はすごくパンチ力のある選手」と寸評し、「渡辺が出なくても先発候補は複数います。これまでの練習試合で誰が出ても戦えるだけの形をつくってきましたから」と現在の戦力に自信を示した。

 大宮南に5-1で逆転勝ちした1回戦の5点目も、八百川のパスから塚田が決めている。背番号9の塚田は「練習の時から八百川にはいろんな要求をしているんです。1点目は絶対パスが来ると信じていたし、2点目も最高のパスだったので力を抜いて右足アウトで合わせました」とはきはき答えた。背番号7の八百川は「あまり要求されるのは好きじゃない」と笑いながらジョークを飛ばすと、「自分も塚田が決めてくれると信じているから出すんです。武器である細かい技術やシュートとクロスの質を生かし、これからもチームの勝利に貢献していきたい」と才能豊かなニューカマーは今後を見据えた。    

(文・写真=河野正)

▽令和6年度埼玉新人戦(新人選手権大会)
令和6年度埼玉新人戦(新人選手権大会)