東海大高輪台は選手交代などでリズムを変えようとしたが、後半も大きなチャンスはほとんどなく、シュートはボランチ川地瑛太(3年)が放った1本だけの完敗だった。

 就任15年目を迎えた東海大相模の有馬信二監督は、「やはり最初のチャンスを決めるかどうかで流れは変わりますね」と切り出すと、神奈川予選の橘との準決勝を引き合いに出し、「最初のシュートから4本目まですべて決め、前半22分までに4点奪ったんですよ。初めのビッグチャンスが入らないと修正が効かないまま、無得点で終わったしまうこともあります。1本目は本当に大切なんだと選手にも言い聞かせているんです」といつも通り、分かりやすく熱っぽい説明をした。

 昨年度の全国高校選手権でCBのレギュラーだった石井を、今大会予選から左SBにコンバートした理由については、「アジリティーがすごくて何度でも行ったり来たり(上下動)できるので起用しました」と言う。昨年は遊び心のあるチームだったそうだが、新チームは「中盤をきちんとつくれ、決定力も高い。それにまじめ。今年は今年の良さがあります」とうれしそうに語る。2年連続のインターハイ出場に向けて弾みをつけるためにも、関東高校大会でのBグループ優勝はかなえたいところだろう。      

(文・写真=河野正)

▽令和7年度関東高校サッカー大会
令和7年度関東高校サッカー大会