帝京集合写真

 そのなか、流れを手繰り寄せたのはチーム1点目、2点目を決めたFW久保の存在。

 「前半はセカンドボールがなかなか拾えず、裏を抜けて1対1のシーンを作られて、焦りました」と振り返ったFW久保。1点目、PKとなったシーンは配球したDF高橋と「目が合いました」とふたりにしかわからない世界から生まれ、2点目は「自分のところにボールがこぼれてきました。(ボールを持った際)ゴールが見えていたので、行っちゃえと。試合前、まわりから『何点取るの?』と聞かれたので、『2点』と答えので、今日は取らないとまずいなと…。先週も得点がなかったのでやらなきゃと思いました」と気持ちひとつで取った思い切りの良い2点目だった。

 そのFW久保は長く苦しんでいた。今季、プリンスリーグ関東1部開幕戦・鹿島学園戦(4月5日)の1得点以降、ノーゴール。暗く長い2ヶ月半のトンネルからようやく脱出した。

「ゴールという結果がないなか、彼みたいな選手が結果という数字を出してくれて良かった」とひと安心の指揮官。「久保さまさまでした」と労った。

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▽令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
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