思わぬ形で先行を許した荏田もすぐさま反撃に出るが、鎌倉学園も「やっぱり守るのはちょっと嫌だった。変わらずに前に行こうと決めて、前の選手を入れ替えることで『引かないで』というメッセージ込めた」(富名腰監督)応戦、ピッチ内でも「前の選手に攻撃を任せて、応援の後押しを感じながら自分はしっかり守りに集中した」(島津)とそれぞれが役割を果たして荏田の追撃を振り払った。
試合後、この予選を最後に引退を予定しているキャプテンの佐藤は「このインターハイ予選で2次に進めれば選手権も2次からになる。(自分にとっては)2試合しかないので、大事にしたいですし、最後にキャプテンらしくチームを引っ張っていきたい。理想的なキャプテンには近づけてなくてなくて怒られてばかりですが、自分なりに一歩一歩努力してきたとは思っているので、その集大成を最後見せたい」と決意を新たにすると、それを受けた2年生の島津も「これを超えるぐらいの勢いで気持ちを上げて継いでいかないとダメかなと思う。キャプテンのようになりたいです」と応え、気持ちを引き締めた。厳しい戦いを先輩から後輩への流れで掴んだ勝利に冨名腰監督も「(佐藤は)口に出すタイプではないんですが、先輩たちがみんな勉強もサッカーも両方やってきているのも見て、彼も同じようにやってきている。先輩たちのおかげだと思うし、それが見えない伝統の力のおかげだと思います。(佐藤を見習おうとする島津の姿も含め)それを絶やさないようにするのが僕らの仕事です」と目を細めた。
(文・写真=西山和広)
▽令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選
令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選