前半は風と緊張が交錯する均衡の展開。富士市立が左右に揺さぶりをかけながらスペースを探ると浜松南は素早い寄せと鋭いカウンターで応戦。中盤の球際では身体を張るプレーが続き、スコアレスで後半へ。

 「0-1になっても、うちは慌てない。ベンチでもそう伝えていた」

 浜松南の頼母木勇太監督は、試合前から腹を括っていた。試合が動いたのは後半6分。富士市立のMF19庵原進太が中央を崩して先制を奪うと、スコアボードは重くなったが、浜松南ベンチに焦りはなかった。

 「行ける、絶対行ける!」

 指揮官が繰り返してきた“自分たちの時間は必ず来る”という言葉が、全員の心の中に根づいていた。

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▽令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選
令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選