立ち上がりは横浜南陵が主導権を握った。7分、山北が左サイドを突破しシュートに持ち込むが、ここは横浜南陵GK1泉大輝が冷静にキャッチ。対する横浜南陵も10分にスルーパスから決定機を作り出すなど、両者互角の入りとなった。
しかし、前半終了間際の34分、ついに均衡が崩れる。横浜南陵のスローインからの展開でDF9星野滉太がゴール前にあげたクロスに、DF19佐藤瞭吉が見事に飛び込み先制。灼熱のなかでの失点は、山北にとって精神的にも体力的にも大きな打撃になるかと思われた。
だが、ここからが山北の真骨頂だった。
ハーフタイム、山北の小林聖平監督は「もう少し横パスを入れていこう」と選手たちに伝えたという。「蹴ってばかりじゃ消耗する。1本でも2本でもパスを繋ぐことで流れは変わる」と。そんな言葉を受けた後半、ピッチの空気が一変する。
▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選

